引き続きの電卓、かつ修理ネタで恐縮ですが、前にブログで書いたように、中古で買ったHP-12cの液晶が壊れてしまいました。いわゆる液晶漏れというやつです。
根本的に漏れてしまった液晶はもとに戻らないと思いますが、液晶部だけでも交換できないかと思い、分解してみました。
まずは、分解です。筐体裏面から電池を外し、四隅のゴム足をはがすとねじが出てきます。ねじはタッピングですが、ドライバーで簡単に外せます。
四隅のねじを外せば、裏面の筐体カバーは外れるので、↓のように基板が出てきます。よく見ると基板は、キー裏の樹脂板から出ているピンに挟まっています。
しかもこのピン、頭をつぶされているので、ピンから基板を剥がすには、すべてのピン頭を削る必要があります(フ~)。
基板を剥がすと、液晶部が金具で基板に引っかけてあるので、小突いて外します。
液晶部の液晶漏れは完全に直せません。根本的には液晶部を交換したいのですが、HP独自の液晶部の為か、形式が古すぎるためか、同等品の入手は難しそうです。仕方がないので、漏れた液晶を表示部から移動させ、使用に耐えられる程度にする方針に変更します。
・漏れ部を押す:
まずは、力業です。スマホフィルムの気泡抜きの要領で、漏れシミ部を指で押します。するとどうでしょう、押している時はシミ部は動きませんでいたが、押してしばらくするとシミが外周部の移動していきました。しかし、すべてのシミを表示部から動かすことはできません。小さなシミは残っていしまいます。しかも結構な頻度で液晶部を押したので小さな傷が、表示部表面に残ってしまいました。
・温める:
昔、何かの本で、液晶シミは50~60度に温めると消えるとの記事を読んだ記憶があります。ダメもとでトライしてみました。するとどうでしょう、小さなシミが徐々に消えていきます。正確に50~60度の雰囲気をつくるのは難しかったので、熱湯を注いだコップに蓋をして、その上に液晶を置いて温めてみました。加熱直後に消えていたシミが冷却されてくると再び現れたりしましたが、最終的に小さなシミは全て表示部から消えたようです。
シミが消えたら、車のヘッドライト用コンパウンドで、液晶部の傷を修繕しておきます。
液晶部の修繕が完了したので、分解手順の逆を辿って組立です。まずは、液晶部に金具を設置し、基板に取り付けます。
基板を裏返し、筐体に設置、分解時に頭を削ったピンを基板の各穴に通します。ピンと穴はきついので、基板をよく押し込みます(この勘合があまいと、組立後キーを押してもフカフカになってしまします)。
基板を押し込んだら、グルーガンで数か所、ピンと基板を固定します。「ON」キーは特にフカフカしやすいので、重点的に固定しておきます。
電池部には-電極用のスプリングを取付け、
裏面カバーの四隅をタッピングねじで固定し、ゴム足でねじ部を隠せば組立完了です。
筐体がいい感じで、液晶漏れ部を隠してくれているので、実害はなさそうです。加熱によって、液晶表示できなくなったりしないか心配しましたが、今のところ問題ありません。